新人教育 その５ たましい編

そう？　あんまり　信じない？

　う～ん　そりゃあね　見たことなければ　

ハイ　信じますって　訳には　いかないよね

　この　話しはね

ワタシが　５歳か　６歳くらいだったと　記憶してるんだけどね

　当時　農家の家ってのは　ほとんど　　トイレが　外に　あったんですよ

人糞も　肥やしとして　再利用ですからね　今の時代じゃ　信じられないだろうけどね

　んっ？　そう　ワタシは　百姓・・　農家の　長男坊でね

本当は　農家を　継ぐはずだったんですけどね

　なんの因果か　わかりませんが　

今　ここに　いるんですけどね　　　　まっ　その　話しは　時間があれば　おいおいと

　それで　トイレが　外にあって　電気だって　裸電球です

怖くてね～　　夜なんて　もう　お化け屋敷ですよ　　　　　　ボッチャン式でね

　それでね　真っ暗になってから　もよおしちゃってね～　そう　生理現象だもんね～

参ったな～ですよ

　そこで　玄関を　出て　すぐ　脇で　しちゃったんですね

ふぅ～　って　ため息つきながらね　　　　　　　　　　　　　　　　　間に合った～

　それで　何気に　後ろを　振り向いたんです


お月様が　あるわけですよ

　当時　大～きな　梨の木があってね

実は　小さいんだけど　甘くてね

　その　梨の木の　中腹あたりに　お月様

もうね　こ～んなに　おっきいんです

　あらまって　思って　また　前を向いて　おしっこの　続きですよ

そしたらね　　　　ぞわぞわ～って　背筋が　寒くなりまして

　ビクッて　反射的に　後ろを見たら・・・

やっぱり　あるんです　お月様？

　　　いや　こんな　高さに　月なんて　あるわきゃ　ない

枝が　隠れてるの？　枝が　見えない

　う”っ　ぬわあ～～　　これが　世に言う　俗に言う　　火の玉か～～～～～？　ですよ

ちょうど　その時に　弟と　妹が　喧嘩して

　玄関の廊下を　ぎゃあ～　って　走りましてね

それも　合図になったのかどうか・・

　もうねっ　おしっこ　終わるか　終わらないかのうちに

　　家に　飛び込みましてね

ソファーに　倒れこんで　ガタガタ状態

　あれっ　なした？　カブ

おっ　おばあちゃん　ボクね　ボクね　　イマね　火の玉がね
　
　木の上にね　ひのたまがね。・。・。

当時の　カーテンって　まったく　光を通さないような

　厚くて　重い　カーテンでしてね

その　カーテンを　バ～サンが　ちょっと　開けてね

　お～　あるじゃ　あるじゃ　おっきな　火の玉だじゃっ

って

　どのくらい　震えてたのか　記憶に無いんですけど

勇気を　振り絞って　カーテン　ちょっとだけ　めくってね　　見たら

　その時には　もう　いなかったんですけどね

隣の　親戚の家の　古窓から　５０ｍくらいですよ

　しっぽがね

ず～っと　続いてるんです

　あとから　聞いた　話なんですけど

３日後に　そこの　爺様が　亡くなったってね

　最後に　ワタシの家を　見に来たのかな～　って感じですね

ただね
　　　　　　　　　　たましい
　その　火の玉　　魂なんですけど

赤色　黄色　青色　とにかく　色んな　色が　混じってるんだけど

　白なんです

輝くような　白　　透き通っては　いないんですが　全体的に　白でしてね

　後にも先にも　火の玉　見るの　それが　初めてなんですが

とにかく　綺麗だったな～

　今　思うと　こんなに　綺麗な　心を　持ってる　ヒトも　いるんだな～ってね



ワタシはね　今は　こんな　ちっちゃな　黒々とした

　小汚い　魂なんですけどね

どんどん　磨いて　磨いて　大きくして

　どうやって　磨くかって言うのは

経験ですね　色んな　経験を積むことが　魂を　磨くことに　つながると　思ってます

そしてね

　あれほどの　魂には　なれないかも知れないけど

この世の　寿命が　尽きるときには

　まあまあ　俺の人生も　まんざらでも　なかったな　って

冗談の　ひとつでも　言って　あの世に　召されたいなって　思ってるんです

　それで　経験なんですけどね

魂を　磨くのに　一番　手っ取り早いのが

　この　福祉の世界なんですよ・・・