研究発表 「てんかん発作」 ⑧ 抗癲癇薬 副作用③編
先のページでは 副作用の分類と 称して
その 原因とかに スポットを当てて 説明しましたが
次は 抗てんかん薬 服用による 臓器別副作用です
それで 一旦 副作用が 発現しましたら
もう 我々の手では どうしようもない
医療のチカラに 頼らざるを得ません
ですから 如何に 普段からの 観察が 大切かってことなんですけど・・・
臓器別に12の 項目がありますので 一応 読み合わせしますね
1・ 中枢神経系
① 中毒濃度 ② 発作の増強 ③ 長期服用による影響
④ フェニトインによる小脳障害 ⑤ 離脱(禁断)症状
2・ 皮膚と結合組織
① 過敏反応 ② フェニトイン特有の副作用
3・ 血液(骨髄)
① 骨髄抑制 ② 葉酸欠乏
4・ 肝臓
① 肝酵素の上昇 ② バルプロ酸による影響
5・ 骨代謝
① 低カルシウム血症
6・ 消化器系
① 胃腸障害 ② 便秘 ③ 急性膵炎
7・ 免疫系
① 免疫グロブミン
8・ 腎臓
① 過敏反応
9・ 内分泌系
① 甲状腺機能低下
10・ 呼吸器系
① ベンゾジアゼピン誘導体
11・ 末梢神経系
① フェニトインの長期与薬による影響
12・ 心血管系
※ 副作用はないと考えて良い
さて 先ほども 言いましたが 我々 現場の人間は 内臓等の 副作用については
病院に お任せする以外 ありませんので
ここでは 重点的に 中枢神経系について 確認したいと 思います
1・ 中枢神経系に於ける 中毒濃度についてですが
中枢神経系の副作用は すべて 用量依存型副作用と 考えてよいとのことです
すなわち 血中濃度が中毒濃度に上昇することによって 生じるものです
発現頻度順に
1 中枢神経抑制作用(意識水準の低下)
2 神経症状
3 逆説反応(発作を抑制するはずの 抗癲癇薬が 逆に悪化させる反応)
次いで
発作の増強です これには 2つありまして
① 慢性フェニトイン脳症
フェニトインの中毒レベルが 長く続く時に 発作を 抑制すべき 抗癲癇薬が 逆に
発作を悪化させることから 逆説中毒といいます
これは 発作抑制機序に関与する 小脳が フェニトインにより 抑制されると
考えられています
② 誘発性超小型発作
ベンゾジアゼピン誘導体の過量が きわめて小さい発作を 誘発します
これは 薬の催眠作用が 睡眠機序に 影響を与えるためと考えられています
続いて
治療内濃度長期服用による影響です
① 知的機能
抗癲癇薬が 知的機能を 衰退させることは確証されていません
通常量なら問題ないとしてます ただし 高濃度と多剤併用、
薬剤ではバルビツール誘導体と フェニトインでは 集中力の減退や眠気などの
二次的影響は 否定できません
② 性格行動面
子どもが眠い時は 機嫌が悪くなって ぐずるし 大人でも 睡眠不足の時は
感情が不安定で 怒りっぽくなりますよね
抑制的症状として
粘着・迂遠(まわりくどい)・緩慢・精神活動の低下が 見られる一方
逆説反応として 易怒的・爆発性といった 尖鋭化として 表現されることがあります
推察ですが
バルビツール酸誘導体の注射により麻酔をかける際に 眠る前の段階で
多弁になったり 興奮することがあるんですが
これは 大脳皮質から 麻酔がかかって
大脳皮質の抑制が 解除されたことによるもので 抗癲癇薬の 逆説反応も 同様の
機序が考えられるということです
次に フェニトインによる小脳障害です
小脳は
平衡機能を 司っているために 失調や 歩行障害 強調運動障害を呈します
多量に 長期間服用した場合 慢性中毒により 発現しますが このような症例は
難治性の 強直間代発作をもつ症例のため
発作自体による 障害も否定できません
性格行動面にしても 平衡機能の失調なんかにしても
ま~ちゃんと コ~キ君に ピッタリ 当てはまりますよね
最後に 離脱(禁断)症状ですね
服薬を中断した場合 禁断症状として けいれん発作や不安焦燥 せん妄などの
精神症状も出現することがあります
ただし 離脱症状が出現する可能性のある 抗癲癇薬は
「フェノバルビタール」 と 「ベンゾジアゼピン誘導体」の 二つだけであるので
服薬の 減量時には 注意が必要だと云うことです
そろそろ 時間ですね
主な 抗癲癇薬の分類を 表にまとめましたので 参考になさってください
最後に
昔から てんかん気質といった 言葉が 使われています
確かに 粘着質であったり 強情な場面が 多かったりすることが 見られます
指示通りの悪さや 不適応行動といった
他者に悪影響を与える行動も 散見されます
彼らの 人格や 性格的なものも あるのかもしれませんが
しかし ま~ちゃんや コ~キ君の場合 明らかに 服薬による 副作用だということが
今回の 研究発表からも 明らかです
毎日 毎日 服薬は拒否するわ 暴れるわ 意固地になって 動こうとしないわ
そうでなくても 忙しいのに 妨げとなる行動が 日常茶飯事です
ですが 待ってください・・・ これらの 行動は 自分らでは 意図していない
長年服用してきた 薬の副作用によって 湧き上がるように 異常行動を取ってしまう
どうか その 苦しみを 理解して 支援に 当たっていただきたいのです
声無き 声を 聞き取るのが 我々の 仕事だと 思うのです
今回の 研究発表を 通して
彼らの 日常の 些細な行動を 見逃さず
同僚と 情報を共有し 医療と密接な連携をとって
彼らの 人生を 充実させていこうと 改めて 感じることが出来ました
あ~ そうそう ついでと云っちゃあ なんですが・・・
利用者の名前を 入力すると
病名と
あとは どんな 薬を飲んでて どんな 副作用があるのか
一覧で出るように エクセルで 作りましたので
参考にしてください
それぞれの パソコンの デスクトップに
ショートカットキーを 作ってますので・・・
それでは 以上をもちまして
てんかん発作についての 研究発表を 終わらせていただきます
どうも ありがとうございました
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
……カブチャン、わたい、昨夜もかいかいで、
眠いんばい??
眠いんだよ~~~~~~~~っ
字が、字が、うとうと
投稿: ちゃちゃわんわん | 2013年6月15日 (土) 14時32分
ちゃちゃさん どうも~
器は 気長に 待っておくんなまし
文字だらけの記事は スルスル~ってね;:゙;`(゚∀゚)`;:゙
投稿: カブ | 2013年6月15日 (土) 15時49分
斜め読みして・・・サラバじゃ
偉いね~~ カブちゃん
投稿: 音姫 | 2013年6月16日 (日) 09時26分
音姫さん どうも~
過去の遺物ですのよ ;:゙;`(゚∀゚)`;:゙
投稿: カブ | 2013年6月18日 (火) 08時42分
カブちゃん??
どした??
投稿: ちゃちゃわんわん | 2013年6月18日 (火) 14時03分
ども せん!(* ̄0 ̄)ノ
投稿: カブ | 2013年6月18日 (火) 16時40分
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投稿: prediksi euro | 2016年6月28日 (火) 01時53分