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2013年9月 3日 (火)

死を見つめる

<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。今さらのようにそのエピソードが思い出されます。


 一度目の体験は、旧制中学校時代のことでした。七十年近くも前のことですが、

今でもはっきりと覚えています。

 当時、私には「ターバン」というあだ名で呼ばれている親友がいました。

彼は、体質のせいか頭髪が少なく、それを隠すためいつも頭に包帯を巻いている姿が

インド人を連想させることから、いつしかそう呼ばれるようになっていたのです。


 そうしたハンデを背負いながら、彼は、頭髪のことについて、気にする素振りを見せたことは殆どありませんでした。

 生来明るい性格の持ち主に思え、そのため、周囲の私たちも、とくに悪気はなく、

ある種の親しみさえこめて、気軽に「ターバン」と呼んでいました。


 その彼が、ある日突然、自ら命を絶ってしまったのです。

死後に残された両親宛ての遺書と彼の日記には、

あの明るく屈託のなく見えた普段の彼からは、想像もできないような

頭髪に対する劣等感や苦悩、そして絶望感が生々しく綴られていました。


 考えてみれば、人生でもっとも多感な年ごろです。自分に置き換えてみたら、

彼の本当の心の中がすこしでも垣問見られたのではなかったのか。

なぜ、その胸のうちを察することができなかったのか。

 私たちは痛恨の思いで男泣きに泣きました。


 二度目の体験は大人になってからのことです。その友人はガンに冒され、

彼の奥さんはもはや助からないと医者から宣告されていましたが、

 そのことは本人には知らされていませんでした。


 ある日、

私たち友人仲間は連れだって、最後になるかもしれない見舞いに病院を訪れたのです。

 事前に奥さんからは病状を本人に知らせていないので、

内緒にしておくように口止めされていました。


 病室に入ると、彼は意外と調子よさそうで、話にも花が咲きました。

そのために、私たちもつい気が緩んでしまっていたのかもしれません。

奥さんが病室を出るのを待っていたように彼の表情が一変し、声を落として

 私たちに遺言めいたメッセージを切り出しました。


 「じつは自分はガンで、あと長くて一、ニヵ月と思う。君たちには世話になった。

今後のことはよろしく頼む」 本当に自分の病状を熟知しているように、

 あまりにも淡々とした口ぶりだったので、

私たちもつい、

「知っていたのか。大した悟りようだな。あとのことは心配しないで、

あきらめずによく療養してくれ」 と、言ってしまったのです。


 後から思えば、自分の本当の症状を知らされず、

明日をも知れぬ命かも知れないという不安にさいなまれながら眠れぬ夜を過ごし、

 神経を削っていたのだと思います。 
 

そんな彼が、生への渇望から仕掛けた一世一代のトリックに、

 私たちはまんまと引っ掛かってしまったのかもしれません。


 私が家に帰るのを追いかけるように入った奥さんからの電話は、ほとんど半狂乱でした。
「あれほど口止めしていたのに、なぜ話したのか。

  夫はすっかりショックを受け、闘病意欲をなくしている」  と言うのです。

 それから三ヵ月ほど後に彼は他界しました。


 彼のペースに乗せられるように私たちが真実を告げたことと、

彼の死との因果関係はわかりません。

 しかし、私たちの意表を突くように淡々と悟った彼の語り口を、

  すこしでも察してあげられなかったのか。その痛恨の念ばかりが残りました。


 自分自身が直接かかわったこの二つの痛烈な体験を通して、私は人の心の奥深さを

教えられました。

 死をめぐる体験は人間を成長させてくれます。

  それは何も特別な体験ではありません。

私たちは子どものころから、祖父母や親せきの年寄りなど、

 身近な人たちの死に立ち会う機会に遭遇します。


 人の死からこそ、人の心の奥底にあるものを知り、生を充実させる多くのことを

学ぶことを痛感させられるのです。



 出典: 日野原重明 多湖 輝著「長生きすりゃいいっててもんじゃない」 幻冬社

/

う~ん  人( ̄ω ̄;)

\

 他人事じゃないよな~

\

俺様は 自他共に認める 口の悪さにかけちゃあ  チョモランマ級

\

 何気ない 一言で

\

  冗談のつもりが

\

相手を 傷つけてきた そんな 可能性って たっくさん ありそうだな~

\

 人ってのは 色んな 過去を 持ってるんだよなあ~

\

 とりあえず 妻マツコ(偽名)に 対しての 暴言は 置いといて・・・

\

\

\

\

\

\

カブ 驚かんで 聞けよ

 ほんまのことやぞ

  奈良の 奥村 おったやろ

あいつ 死んだらしいわ  ウソやあらへんぞ ほんまやぞ

えっ! なに!?

 したって 春先 俺んとこの 畑 一週間ほど 手伝って

  それから 帰ったんだで! また 冬に 会うべな~ってよ

なんや知らんわ

 とりあえず 三重の ぼっちゃんと 葬式 参ってくるわ

うん そうや 俺の車で 行くことになるやろな

 オマエは 来られへんのやろ? 北海道やもんな~

う~ん

 急すぎる 無理だ しかし あの元気な奴が

  なんでまた・・・信じられん・・・

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

今 電話 大丈夫なんか? ほうか!

 そいでな 気の毒で 気の毒で

なんちゅ~んや?

 お父っちゃんも お母っちゃんも 言葉に ならんのよ・・・

泣きはらしてな~

 跡取り息子やもんな~・・・

あ~ 愛媛の 片岡も 来とったわ

 うん? あ~ なんちゅ~んや 心臓発作やて

あいつ 空手 やってたやろ 毎朝 走っとったらしいわ

 そんで その日 家の近くの道路で 倒れてたのを 発見されたんやて

それまで 元気で まさか 死ぬなんて 夢にも 思わんかったって・・・

そいでな あいつ 彼女 おったんやて~

 それを お父っちゃんたちが 反対しとってな

なんや 同和っちゅうんか

 そや こっちの方には なんや よう判らんけど

差別的な地域が あんのよ

 その子が そこ出身だとかでな

その 反対しとったことも 苦にしとったわ

 まっさか こんな 早よう 亡くなるって 思わんもんな

しっかし 人間 判らんもんやな~

オマエも 気~つけなあかんぞ いつ どうなるか 判ったもんやないからのお~

 オマエは タワケやからな~ 酒 程ほどにせな あかんぞ!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれから はや 30年

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コメント

おはようございます。

人は、ニコッと笑みを浮かべていれば
秘めたる心の内は悟りづらいものですね。
たった一人になった時、
上げていた口角から力を抜いた時が本心なのでしょうが、
なかなか遭遇しない場面でしょうしネ。
「察する」って難しいですね・・・
私も誰かを傷つけていないか?自信がありません。

いつ何どき!? 誰しもが、明日は我が身ですよね。
良いお話しを有り難うございます。

(ノ_-。)20歳の時
親友を自殺で失いました。
「死ぬ」って言ってたのに
止められなかった 後悔が今も・・・・・
それからは 恐くて人と深く関われなくなりました。
臆病者と思うんだけど・・・・

カブちゃんの口の悪さが チョモランマ級なら
私の口の悪さは エベレスト級やわ ( ̄ー ̄)ニヤリ

私も 知らず知らずのうちに 人を傷つけてるかも・・・(u_u。)

普通、人を傷つけたいと思って
言葉を発するわけではないからね…
それでも、知らぬうちにってことはあるわけで
やはり、人生は失敗の繰り返し
反省、反省で成長するのよ
でも、ぶつかることも大切なんだよね…
心の力も今の人は、昔に比べると弱くなっちゃったかも…

おおよそ上品とはかけ離れた田舎育ちで…
小・中学校ではほとんどの子があだ名で呼び合ってた。
いつも丸坊主の子は『ハゲ』、女の子なのに『ゴリラ』…
今思えば、なんてひどい事を。
でもいじめの気分なんてサラサラなく、罪悪感もなかったもんな~。
子供がそんな風に呼ばれてるとしたら、親としても胸が痛いだろうな。
私も言葉には気をつけないと…。

こうやって 生きていることが ありがたや ですね。

きのうは大変にありがとうございました(^ ^)感謝です♪


 みなさん コメ どうもね~

 カブ姫 花嫁修業中に 切れちゃって
まともな コメ返 出来そうもありませ~ん・・・ 本日の件は 後日 UPしますんで
 勘弁してくださ~い 人( ̄ω ̄;) スマヌ

わたいは、おしゃべりでかずかずの失敗をしてる~~
しかも、同じこと、くりかえしちょる~~~
自分じゃ、何気なく発した言葉がヒトを傷つけてるかもって
考えなきゃだめなんだよね(^_^;)
あ、コメ返、わたいもほとんど返してない(・。・;

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